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マンション売却「価格設定」完全ガイド──査定額と売り出し価格の関係・値引き交渉を見据えた戦略的プライシング・チャレンジ価格と適正価格の使い分けを徹底解説し、希望価格での成約を実現するための実践的フレームワーク

  • 11 時間前
  • 読了時間: 15分

  あなたはまだ「査定額=売れる価格」と信じていないか


 査定額を見た瞬間、多くの売主は「この金額で売れる」と無条件に信じ込む。

残念ながら、それは幻想だ。

2026年2月の首都圏中古マンション市場では、売出価格と成約価格の乖離が27.1%にまで拡大している。

業界では、この売出価格と成約価格の乖離が拡大した状態を「ワニの口」と呼ぶ。

ワニの口が大きく開くと売れ行きが鈍化し、不動産市場は悪化していることになる。

つまり、査定額をそのまま売り出し価格にした売主は、約3割も高い価格で売りに出している計算になる。

売れない。当然だ。

この記事では、査定額と売り出し価格の関係、値引き交渉を見据えた戦略的プライシング、チャレンジ価格と適正価格の使い分けを徹底解説する。

価格設定の「仕組み」を理解すれば、あなたは希望価格での成約に一歩近づく。



  なぜ査定額と成約価格は乖離するのか──「アンカリング効果」の罠


 アンカリング効果とは、最初に与えられた情報によって最終的な意思決定が左右される現象のことだ。

この心理法則は、不動産売却の価格設定にも深く関わっている。

売主が最初に見る「査定額」は、まさにアンカー(錨)として機能する。

不動産会社が「4,500万円で売れます」と言えば、売主の頭にはその数字が刻まれる。

高い商品を先に提示され、その後に価格が安い商品を提示されると、かなり安いと感じる。

つまり、売主は4,000万円を「安い」と感じ、4,500万円以上でなければ損だと思い込む。

ここに落とし穴がある。

近年の価格高騰トレンドを受け、売主は「もっと高く売れるのではないか」という希望的観測を強く持ち、実際の市場価値よりも高めに売出価格を設定する傾向が強まっている。

その結果、在庫として積み上がり、最終的には適正価格以下での売却を余儀なくされる。

スーパーの特売に例えよう。

通常価格500円の商品に「本日限り380円」と書かれていれば、消費者は「お得だ」と感じる。

だが、隣のスーパーでは同じ商品が毎日350円で売られていたらどうか。

不動産も同じだ。「査定額4,500万円」に引きずられて4,500万円で売り出しても、周辺相場が4,000万円なら、買主は見向きもしない。



  「査定額」「売り出し価格」「成約価格」──3つの価格の関係を理解せよ


 価格設定を成功させるには、まず3つの価格の違いを明確に理解する必要がある。

査定額とは、不動産会社が「この価格なら3ヶ月程度で売れるだろう」と算出した価格だ。

不動産会社による査定では、相場や取引事例をもとに「3ヶ月あれば売れるだろう」と見込んで査定額を提示されるケースが一般的だ。

売り出し価格とは、売主が実際に市場に提示する価格だ。

成約価格とは、買主との交渉を経て、実際に契約が成立した価格だ。

「売出価格」(新規登録価格)とは、売主による希望価格だ。一方「成約価格」は買い手がついて実際に契約が成立した価格を指す。この2つの差が大きいほど、売主と買主の価格に対する認識にずれがあることを示している。

現役営業マンの証言では、「査定額=売り出し価格=成約価格」となることは稀だという。

なぜなら、売主は「少しでも高く売りたい」と考え、査定額より高い売り出し価格を設定する傾向があるからだ。

そして買主は「少しでも安く買いたい」と考え、値引き交渉を仕掛けてくる。

この「売りたい価格」と「買いたい価格」のせめぎ合いの結果が、成約価格として現れる。



  2026年の市場が示す「価格乖離」の現実


 2026年5月の首都圏中古マンションの平均成約価格は5067万円となり、前年同月比▲4.6%と2024年10月以来19カ月ぶりの下落となった。

依然として高値水準だが、上昇一辺倒の状況には変化が見られる。

首都圏中古マンションの2026年5月データでは、成約価格は5,067万円、新規登録価格は6,477万円、在庫価格は6,643万円だった。

成約価格と在庫価格の差は約1,600万円。

この数字が意味するのは、売主の希望価格と市場の評価との間に、約30%ものギャップがあるという現実だ。

東日本不動産流通機構のレポートによれば、2026年3月の東京都心3区における中古マンション売買において、売却希望単価が1㎡あたり322.8万円だったのに対して成約価格単価は243.34万円と価格差で79万円、希望価格の75%の価格でしか成約できなかったことが記されている。

都心3区でさえ、売主の希望価格の75%でしか売れていない。

これが現在の市場の実態だ。


図1|首都圏中古マンションの売出価格と成約価格の推移(2026年度 東日本不動産流通機構より編集部作成)


  「チャレンジ価格」と「適正価格」──使い分けの戦略論


 価格設定には、大きく分けて2つのアプローチがある。

チャレンジ価格と適正価格だ。

チャレンジ価格とは、相場よりも高く設定された価格だ。より高値での売却に挑戦することから、チャレンジ価格と呼ばれる。

チャレンジ価格には明確な定義はなく、相場の何割増しでチャレンジ価格になるといった規定はない。ただし、相場よりも少し高い程度では、チャレンジ価格とは呼ばれないことも多い。

適正価格とは、不動産会社が算出した査定額、すなわち「3ヶ月程度で売れる価格」を指す。

では、どちらを選ぶべきか。

答えは「売却期限の有無」によって決まる。

時間に余裕があるときは高めのチャレンジ価格を設定してみるという決定方法もある。最初は少し高めの価格からスタートし、売れなかったら段階的に価格を下げていく方式だ。

チャレンジ価格といっても高過ぎると時間を浪費するだけなので、チャレンジ価格は不動産会社の意見を聞きながら決定することをおすすめする。

転勤や住み替えなど、売却期限が明確な場合は適正価格での売り出しが鉄則だ。

時間的余裕がある場合に限り、チャレンジ価格を検討する余地がある。



  チャレンジ価格の「落とし穴」──売れ残りが招く価格崩壊


 チャレンジ価格には、看過できないリスクがある。

相場よりもあまりにも高い価格で売り出すと、売却期間が長引き、売れ残り感がでてしまうため結果的に安い価格でしか売れない可能性がある。実際このような事例はめずらしくない。

不動産売却は売り出し時が1番注目される。新物件登場ということで最も検討者が多い時期でもある。そんなときに高めの金額で出しすぎるとその時に決まっていたかもしれないお客さんを逃していることになる。

現役営業マンの証言では、売り出し開始から2週間が「ゴールデンタイム」だという。

この期間に反響がなければ、その価格では厳しいと判断すべきだ。

3ヶ月以上広告が残っていると、物件を探している買い手側に「いつ見ても広告が出ている売れ残り物件」という印象を与える。

「損失回避バイアス」という心理法則がある。

人は得をするよりも、損を避けることを強く望む。

売主が「せっかく高く査定されたのに、下げたくない」と思うのは、この損失回避バイアスの働きだ。

だが皮肉なことに、値下げを拒み続けた結果、最終的にはチャレンジ価格より遥かに低い価格での売却を余儀なくされる。

これこそが、損失回避バイアスが招く「本当の損失」だ。



  値引き交渉を見据えた「戦略的プライシング」


 では、具体的にどう価格を設定すべきか。

買い手から値下げ交渉が入ることを前提に、多少上乗せした価格設定で売りに出すことも検討できる。おおよそ希望価格+5%〜10%程度で売り出すことで、希望する価格での成約が実現しやすくなる。

例えば、4,000万円で成約したいなら、4,200万円〜4,400万円で売り出す。

買主が「200万円下げてほしい」と交渉してきても、4,000万円で着地できる計算だ。

ただし、この戦略には条件がある。

上乗せ幅は、あくまで相場の範囲内でなければならない。

相場が4,000万円の物件を5,000万円で売り出せば、そもそも問い合わせが来ない。

統計上、マンションであれば50万円程度の値引きがある。

この数字を頭に入れておけば、値引き交渉を見据えた現実的な価格設定が可能になる。



  「3つの価格」を提示させよ──不動産会社への正しい質問


 不動産会社からは、早期売却価格、通常価格、チャレンジ価格など三つの価格を提案されることがある。それぞれの意味は、3ヶ月もかからずに早めに売れるであろう価格、3ヶ月くらいで売れていく価格、もう少し時間をかけて活動すれば売れるであろう価格というものだ。

優秀な営業マンは、この3つの価格を明確に提示する。

査定を受けたら、必ず以下の質問をせよ。

「1ヶ月以内に売れる価格はいくらですか?」

「3ヶ月で売れる適正価格はいくらですか?」

「時間をかければ狙えるチャレンジ価格はいくらですか?」

この3つの回答を比較検討することで、自分の状況に最適な売り出し価格が見えてくる。

もし営業マンがこの質問に明確に答えられないなら、その会社は避けたほうがいい。



  「最低売却価格」を決めてから売りに出せ


 売り出し価格を決めたら、次に決めるべきは「最低売却価格」だ。

売り出し価格を決めたら、最低売却価格も決めておく必要がある。

2割値引きまでは応じても、3割値引きには応じないというようにルールを決めておくと、迷わなくて済む。

最低売却価格とは、「この金額以下では絶対に売らない」というボーダーラインだ。

住宅ローンの残債がある場合は、残債以上の価格が最低ラインになる。

買い替えを予定しているなら、新居の頭金に必要な金額を確保できる価格が最低ラインだ。

特に住宅ローンを利用している方は、ローンの残債や住み替え先の物件の購入に必要な費用など、今後の資金計画に基づいて最低成約価格を決めておこう。

この最低売却価格を事前に決めておかないと、値引き交渉の場面で判断が鈍る。

「コミットメントと一貫性の法則」という心理法則がある。

人は一度決めたことを覆すのを嫌う傾向がある。

最低売却価格を事前にコミットしておけば、交渉の場面でも一貫した姿勢を保てる。



  3ヶ月ルール──値下げの「正しいタイミング」


 マンション価格の値下げを検討するタイミングは、一般的には売却活動開始から3ヶ月後だ。値引きせずに売れるマンションは、3ヶ月以内で売れる場合がほとんどだ。一方で3ヶ月たっても売れない場合は、価格設定が高すぎる可能性がある。

不動産会社による査定額は「3ヶ月程度で売却できるとされる価格」であり、値引きが少ないマンションでは実際に3ヶ月以内で売れているという状況だ。

3ヶ月経っても売れない場合、以下のいずれかに問題がある。

価格が高すぎる。

広告・販売活動が不十分。

物件自体に競争力がない。

「不動産会社が値下げしたほうが良いと言っている」という場合もあるかもしれないが、3ヶ月経っていないなら応じる必要はない。マンションは安ければ買い手がつきやすくなるため、早く売りたいがために値下げするよう勧めてきているだけだ。

ただし、3ヶ月経過後は状況が変わる。

3ヶ月経過した時点で値下げをするのは一般的なタイミングのため、購入希望者が値下げされるかどうか様子を見ている可能性もある。値下げをすることで購入希望者から問い合わせが入る可能性もあるだろう。



  繁忙期を狙え──1〜3月、9月の「売り時」戦略


 マンションの価格の値下げは、繁忙期のタイミングがおすすめだ。マンション売却の繁忙期は1〜3月や9月だ。繁忙期はマンション売却の競合が増加する。そのタイミングで値下げをすることで、値下げしたことが目立つため買い手側の目に留まる可能性が高くなる。

逆算すると、1〜3月の繁忙期に成約を狙うなら、10〜12月には売り出しを開始すべきだ。

不動産は新年度になる前に入居を希望する人が多く、2月〜3月までに引渡しができる物件は高く売りやすくなる。

現役営業マンの証言では、「12月までに売り出して、1月に値下げする」という戦略が最も効果的だという。

なぜなら、1月は新年度に向けて物件を探し始める買主が増える時期だからだ。

このタイミングで「価格改定」のマークがつけば、注目度は一気に上がる。



  値下げ幅の「黄金比」──端数設定の心理戦


 値下げする際の金額設定にも、セオリーがある。

人は「キリのいい数字」を検索条件に使う傾向がある。

4,980万円で売り出していた物件を4,780万円に下げても、検索結果には変化がない。

だが、4,480万円に下げれば「4,500万円以下」で検索している買主の目に留まる。

つまり、値下げするなら「検索条件の閾値を跨ぐ」ことが重要だ。

5,000万円以下、4,500万円以下、4,000万円以下──これらのラインを意識せよ。

また、端数を「80万円」「90万円」で終わらせる価格設定(4,980万円など)は、買主に「値引き交渉の余地がある」と感じさせる効果がある。

4,000万円ジャストより、3,980万円のほうが「お得感」を演出できる。

これもアンカリング効果の応用だ。



  「売れ残り物件」にならないための3つの鉄則


 売れ残り物件になると、以下の悪循環に陥る。

長期掲載→「何か問題があるのでは」と敬遠される→問い合わせ減少→やむなく大幅値下げ→買い叩かれる。

この悪循環を避けるための鉄則を示す。

第一に、売り出し価格は相場の1割増しまでに抑えよ。

チャレンジ価格は最初に査定価格より1~2割高めの価格を設定しておき、様子を見ながら徐々に価格を下げていく方法だ。

ただし、2026年現在の市場では、1割増しでも売れ残るリスクがある。

第二に、3ヶ月を期限として見直しを入れよ。

チャレンジ価格で売り出す期間を最初から決めて、もしお問い合わせが少なければ、期間終了後はきっぱりと適正価格に改定する、という方法をお勧めする。

第三に、値下げは一度に大きく、回数は少なく。

何度も値引きをすると、「これだけ値引きをしても売れ残っているのは、よほど大きな問題が隠れているのでは」という不信感を招いてしまう。

小刻みな値下げは、売主の「弱気」を市場にさらすだけだ。



  不動産会社の「高値査定」に騙されるな


 一括査定サイトを利用すると複数の不動産業者が「うちに売却依頼をしてください」と取り合いをすることになり、必然的に「この金額で売れますよ!」という金額も上がっていく。到底売れない金額で一旦売却依頼をもらい売却活動中に人間関係を作り値段下げてもらう交渉をしていくという手法も結構広く行われている。

一括査定で「うちなら5,000万円で売れます」と言われても、鵜呑みにしてはいけない。

売主さんの売却を真剣にサポートしようとしている優秀な不動産業者ほど「チャレンジ価格」と言われる水準の売出価格はしたがらないところがある。

査定額の根拠を必ず確認せよ。

「近隣の成約事例」「同じマンション内の取引実績」「築年数・専有面積の補正」──これらを具体的に説明できない営業マンは信用に値しない。

ある大手仲介会社では、「媒介契約を取るために、わざと高い査定額を出す」という慣習があると、業界関係者は証言する。

高値査定に飛びついた売主は、結局、長期間売れずに苦しむことになる。



  「適正価格」の調べ方──売主が今日からできる市場調査


 不動産会社任せにせず、自分でも相場を把握する習慣をつけよ。

マンションの相場価格は、不動産流通機構が運営している「REINS Market Information(レインズ マーケット インフォメーション)」のサイトでも調べることができる。実際に取引された価格を「都道府県」「地域」ごとに検索できるデータベースだ。

国土交通省の「不動産情報ライブラリ」も活用せよ。

同じマンション、または近隣の類似物件の「成約価格」を調べることで、適正価格の目安がわかる。

注意すべきは、「売り出し価格」ではなく「成約価格」を見ることだ。

売却を検討する場合は、売出価格だけでなく、実際の成約価格を基準に判断しよう。

ポータルサイトに掲載されている「5,000万円」という価格は、あくまで売主の希望だ。

実際に4,200万円で成約しているかもしれない。その事実を知らずに5,000万円で売り出しても、買主は見向きもしない。


 成約価格を調べる手順はシンプルだ。レインズ マーケット インフォメーションにアクセスし、物件の都道府県と地域を選択する。同じマンション名で絞り込めれば最も精度が高いが、見つからない場合は最寄り駅・築年数・専有面積の近い物件を参照すればよい。

不動産情報ライブラリでは、より詳細な取引価格情報を地図上で確認できる。どのエリアの、どの価格帯の物件が直近で取引されているかを視覚的に把握できる。

この作業を30分行うだけで、仲介会社の査定額が「市場実態に即しているか」を自分で検証できる。相場を知っている売主は、高値査定に踊らされず、値引き交渉でも筋を通せる。



  よくある失敗パターン──先人の轍を踏まない


 価格設定における典型的な失敗を整理しておく。

失敗① 査定額をそのまま売り出し価格にする

査定額は「3ヶ月で売れる価格」だ。それに値引き交渉の余地を加えず売り出せば、交渉後に希望価格を下回る。査定額の上に5〜10%程度を上乗せした売り出し価格を設定することが、最終的に希望額に近い成約につながりやすい。

失敗② 高値査定した会社に飛びつく

複数社に査定を依頼して最も高い数字を提示した会社に媒介を依頼する──これが最も多い失敗パターンだ。高値査定は、媒介契約を取るための営業手法である場合がある。3ヶ月後に「やはり価格を下げましょう」と言われることになる。査定額の根拠を具体的に説明できるか、成約事例を示せるかで会社を選べ。

失敗③ 小刻みな値下げを繰り返す

月に100万円ずつ値下げを続けると、「この物件は何か問題があるのでは」という疑念を買主に与える。値下げは一度に大きく、回数を絞るのが鉄則だ。3ヶ月売れなければ、意味のある幅で一気に価格改定する。

失敗④ 繁忙期を逃す

1〜3月と9月に成約が集中することを知らず、閑散期である夏に売り出して売れ残らせる。繁忙期の2〜3ヶ月前に売り出しを開始し、繁忙期に問い合わせが最大化する状態を作ることが戦略の基本だ。

失敗⑤ 最低売却価格を決めずに交渉に臨む

事前に「この金額以下では売らない」というラインを決めていないと、交渉の場で感情的な判断をしてしまう。住宅ローンの残債・住み替え費用・手元に残すべき資金を逆算し、最低売却価格を明確にしてから売り出すこと。



編集部まとめ


2026年の首都圏中古マンション市場では、売出価格と成約価格の乖離が約30%に達している。つまり、多くの売主が市場実態から3割乖離した価格で売りに出し、買主から敬遠されているという現実がある。

この乖離を生む最大の原因は、「査定額=売れる価格」という思い込みだ。査定額はあくまで「3ヶ月程度で売れると見込まれる価格」であり、値引き交渉の余地も含まれていない。そのまま売り出し価格にすれば、交渉後に希望価格を下回ることは避けられない。

適切な売り出し価格の設定には、3つの作業が必要だ。第一に、レインズ マーケット インフォメーションや国土交通省の不動産情報ライブラリで「成約価格」を自分で調べる。第二に、複数社から早期売却価格・適正価格・チャレンジ価格の3つを提示させ、根拠を比較する。第三に、成約したい最低価格を事前に決め、それを起点に売り出し価格を逆算する。

チャレンジ価格を選ぶなら、売り出し開始から3ヶ月が判断の期限だ。反響が薄ければ、小刻みな値下げではなく、意味のある幅で一度に価格改定する。値下げのタイミングは繁忙期(1〜3月・9月)に合わせると、改定の注目度が高まる。


価格設定は感情ではなく、データと期限で決める。「もう少し高く売れるはず」というサンクコストの思い込みを排し、市場の評価に正直に向き合うことが、最終的に最も高い価格での成約につながる。

あなたの物件を適正な価格で、適切なタイミングで売り出すことが、成功する売却の第一条件だ。まず今日、成約価格のデータを自分の目で確認することから始めてほしい。


執筆:マンション売却ジャーナル編集部


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