葛飾区マンション売却ガイド2026──㎡単価61万円・3年で16%上昇、下町×再開発融合エリアの相場・エリア特性・売却戦略を徹底解説
- 7月17日
- 読了時間: 8分
あなたは「葛飾区のマンションは安いから資産価値がない」と思っていないか
その認識は、完全に時代遅れだ。
葛飾区の中古マンション㎡単価は直近3年間で約16%上昇している。
葛飾区のマンションの価格は直近の3年間で15.86%程度上昇している。
2023年から2026年にかけて、毎年着実に上昇を続けた。
この上昇は「下町だから安い」という固定観念を根底から覆す。
新小岩・金町・立石で同時進行する「トリプル再開発」が、葛飾区の不動産市場を根本から変えつつある。
売主にとって、今こそ葛飾区マンションの「本当の価値」を理解すべき時だ。
「損失回避バイアス」が葛飾区売主を苦しめる
行動経済学でいう「損失回避バイアス」とは、人が得をする喜びより、損をする苦痛を2倍強く感じる心理傾向を指す。
葛飾区の売主が陥りやすいのが、この損失回避バイアスによる「値付けの失敗」だ。
「都心より安いエリアだから、高く売れるはずがない」と自ら価格を抑えてしまう。
しかし現実は逆だ。
葛飾区の2026年公示地価の平均は48万7841円/㎡で、前年からの変動率は+7.28%の上昇だ。商業地に限れば+11.15%の上昇である。
新小岩の公示地価は坪単価329.26万円で、前年比9.77%上昇した。
葛飾区内で最も地価が高いエリアである。
亀有の公示地価も変動率+13.02%と二桁上昇を記録した。
葛飾区売主が持つべきは「安い下町」という自虐ではなく、「都心アクセス×再開発」という強みへの自信だ。
「トリプル再開発」が葛飾区の地図を塗り替える
葛飾区では現在、新小岩・金町・立石の3駅で大型再開発が同時進行している。
23区内でこれほど多くの駅で再開発が重なるエリアは稀だ。
新小岩駅南口では、地上39階建てで高さは約160m、住宅階は7〜39階で総戸数は543戸のタワーマンション建設が進められている。
B街区は2027年10月に着工し、2032年4月に竣工する予定だ。
金町駅北口では「東金町一丁目西地区市街地再開発事業」が進行中で、地上40階建ての住宅棟と商業施設が建設される。第II期の着工は2026年8月で、完成予定は2030年11月だ。
京成立石駅北口では2025年11月1日に着工し、竣工は2029年の予定である。東街区は葛飾区役所新庁舎、西街区は住宅710戸のタワーマンションで構成される。
西街区の住居棟は高さ約125m、地上36階・地下2階建てで住宅710戸を擁する。
これらの再開発が完了すれば、葛飾区の駅前風景は一変する。

スーパーの「特売」と同じ──なぜ再開発は周辺相場を引き上げるのか
スーパーマーケットが新規出店すると、周辺の商店街も活性化する。
集客力のある店舗が「磁石」となり、人の流れが生まれるからだ。
不動産でも同じ原理が働く。
タワーマンションや商業施設が完成すると、駅前の利便性が劇的に向上する。
その結果、既存の中古マンションにも「駅前再開発エリアの物件」という付加価値がつく。
新小岩の平均売買価格は3年前と比較して18.4%程度上昇した。
これは再開発への期待が価格に織り込まれた証拠だ。
再開発の効果は「完成前」から現れる。
売主が狙うべきは、再開発完成前の「期待値上昇局面」である。
葛飾区4大エリアの相場と売却戦略
葛飾区のマンション市場は、駅によって明確な価格差がある。
現役営業マンの証言では「新小岩と柴又では坪単価で100万円以上の差がつく」という。
エリア別の特性を理解し、自物件の「競争相手」を見極めることが売却成功の鍵だ。
新小岩エリア──JR総武快速で東京駅15分、葛飾区No.1の利便性
新小岩駅はJR中央・総武線と総武快速線が停車する駅だ。快速の場合、東京駅までの所要時間は15分弱である。
葛飾区内で唯一、JR総武快速線が停車する駅だ。
価格推移は2023年比で8.2万円/平米上昇しており、葛飾区全体の相場をけん引している。
ある大手仲介会社では「新小岩は築30年超でも駅徒歩5分以内なら3,500万円以上で成約する」と証言する。
売却戦略のポイントは「総武快速停車駅」「再開発タワー誕生予定」の2点を査定時に強調することだ。
競合物件が多い駅であるため、価格設定は強気すぎると長期化するリスクがある。
金町エリア──千代田線直通×タワー群×東京理科大の学術都市
金町駅周辺は、近年駅前にタワーマンションが誕生するなど、新旧の魅力を併せ持つ街として進化を続けている。
金町駅周辺は、JR常磐線・京成金町線の2駅2路線が利用できる交通結節点として、葛飾区内でも高い利便性を備えたエリアだ。
JR常磐線は東京メトロ千代田線と直通運転しており、大手町まで乗り換えなしでアクセスできる。
金町駅北口では「クロス金町」が進行中で、Ⅱ期では高さ約150m・約900戸の分譲タワーマンションが2030年11月竣工予定だ。
東京理科大学葛飾キャンパスの存在も大きい。
約7.1万平方メートルの「葛飾にいじゅくみらい公園」が隣接し、学術と居住環境が融合している。
売却戦略のポイントは「千代田線直通」「大学×公園隣接」の居住環境訴求だ。
ファミリー層をターゲットにした内覧対応が成約率を高める。
立石エリア──区役所移転×高架化で「下町の聖地」が激変
「立石駅南口東地区」の再開発の中心となるのは、地上34階、戸数約450戸のタワーマンションの建設で、2026年度に竣工予定だ。
「せんべろの聖地」として知られる立石は、再開発で最も大きく変貌するエリアだ。
京成押上線を高架化する連続立体交差事業と連携しながら、安全・安心な街づくりを進めている。
2030年度末の工事完了を目標に、京成電鉄押上線の四ツ木駅~青砥駅間の連続立体交差事業が進んでいる。11箇所の踏切が撤去される予定だ。
葛飾区役所が立石駅前に移転することも決定している。
売却戦略のポイントは「区役所移転」「踏切解消」という具体的な変化を買主に伝えることだ。
現時点では再開発前の「割安感」で訴求できる最後の局面である。
亀有エリア──「こち亀」の街×千代田線直通の安定需要
亀有の中古マンションの相場は、直近12ヶ月の実取引53件にもとづくと㎡単価81.3万円で、前年と比べて+6.9%上昇している。
漫画「こちら葛飾区亀有公園前派出所」の舞台として全国的な知名度を持つ亀有。
JR常磐線(各駅停車)で千代田線に直通し、大手町・表参道へダイレクトアクセスできる。
駅直結のビーンズ亀有をはじめ、徒歩圏内にアリオ亀有、亀有リリオ館などの商業施設が集積している。
大規模再開発はないが、生活利便性の高さから安定した需要がある。
売却戦略のポイントは「千代田線直通」「商業施設充実」の生活利便性訴求だ。
派手さはないが、堅実な買主層が多いエリアである。
築年数別の売却判断──「築15年」と「築30年」で戦略は180度違う
葛飾区集計では「31~40年」が997件(26%)で最多だ。築20年以内は1,423件(37%)、築31年以上は1,529件(40%)である。
葛飾区は築古ストックが多いエリアだ。
平米単価は、1~5年の114万円から31~40年の44万円へ低下している。築15年までの下落度合いが最も激しい。
築15年以内の物件は「早期売却」が鉄則だ。
毎年の価格下落が大きいため、売却を先延ばしにするほど損失が拡大する。
一方、築30年超の物件は「管理状態」が価格を左右する。
件数は築31年以上でも多く、築古ストックにも流動性がある。売却時は築年数だけでなく、リフォーム履歴や管理状態を具体的に示すことで価格交渉の精度を高めやすくなる。
葛飾区マンション売却で「損しない」3つの質問
売却を依頼する不動産会社を選ぶ際、以下の3つの質問を投げかけてほしい。
第一の質問は「葛飾区の再開発進捗を、買主にどう説明しますか?」だ。
再開発の具体的な完成時期や内容を説明できない営業マンは、葛飾区物件を扱う資格がない。
第二の質問は「過去1年間に葛飾区で成約した実績を教えてください」だ。
葛飾区で39件のマンションが成約し、新小岩・金町・亀有・青砥・京成立石エリアを中心に活発な取引が確認されている。
この市場を知らない会社に任せるべきではない。
第三の質問は「査定価格の根拠を、成約事例で説明してください」だ。
売り出し事例ではなく「成約事例」で説明できることが重要だ。
成約事例を持たない会社は、根拠なく高値を提示して媒介契約を取りに来る可能性がある。
「23区最安×高利便性」は最強の売却材料
葛飾区は東京23区の中でも最もリーズナブルな家賃水準を誇るエリアのひとつだ。
この「安さ」を弱点と捉えるか、強みと捉えるかで売却戦略は変わる。
都心のマンション価格が一般的な収入の世帯には手が届かない水準にまで達している現在、葛飾区の「手が届く価格帯」は最大の武器になる。
大手町まで最短15分という交通利便性を持ちながら、23区で最もリーズナブルな家賃帯を維持している。
買主目線で考えれば「都心通勤圏内で、手が届く価格の3LDK」を探している層は膨大だ。
葛飾区マンションは、まさにその需要に応える存在である。
売却タイミングの見極め──再開発完成前が「期待値のピーク」
再開発の価格効果は「完成前」と「完成後」で異なる。
完成前は「期待値」で価格が上昇する。
完成後は「実績値」に落ち着く。
新小岩のタワーマンションは2032年完成予定、金町は2030年完成予定、立石は2029年完成予定だ。
2026年現在は、いずれの再開発も「期待値上昇局面」の真っ只中にある。
この期待値がピークに達するのは、完成の1〜2年前と言われる。
つまり、2027〜2028年が葛飾区マンション売却の「黄金期」になる可能性が高い。
ただし、金利上昇や市況悪化のリスクもある。
「今売る」か「もう少し待つ」かは、物件ごとの状況と売主のリスク許容度で判断すべきだ。
編集部まとめ
葛飾区マンション市場は、トリプル再開発と都心アクセスの良さで大きく変貌している。
直近3年で約16%上昇という数字は、「下町だから安い」という固定観念を完全に否定する。
売主が押さえるべきは、①エリアごとの再開発進捗、②築年数に応じた売却タイミング、③「23区最安×高利便性」という訴求ポイントの3点だ。
葛飾区マンションの本当の価値を理解し、適正な価格で売却することが「損しない売却」の第一歩である。
執筆:マンション売却ジャーナル編集部




