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2027年マンション価格予測完全ガイド──金利正常化×建築費高騰×二極化加速が示す「高止まり継続」の最新見通しと、東京23区横ばい〜微増・郊外価格調整・万博後反動が示す全国エリア別の価格動向・売却判断ポイントを徹底解説(市況・マーケット)

1 日前
読了時間: 9分

あなたは「2027年にはマンション価格が下がる」と期待していないか


結論から断言する。

2027年のマンション価格は、暴落しない。

東京23区を中心に高水準が続く見通しであり、金利上昇の影響は出始めているものの、供給不足と投資需要が価格を下支えする。2027年にかけて横ばい〜微増が基本シナリオだ。

「金利が上がれば不動産は下がる」という単純な公式を信じている売主は多い。

だが、その「待ち」の姿勢こそが、最大の機会損失を生む。


「アンカリング効果」が売主の判断を狂わせる


行動経済学に「アンカリング効果」という概念がある。

最初に目にした数字が「基準点」となり、その後の判断に無意識の影響を与える現象だ。

「2020年頃の価格に戻るはずだ」と期待する売主は、まさにこの心理に囚われている。

2026年現在、建築費がコロナ禍以前の水準まで大幅に下落する可能性は極めて低いと予測されている。

集合住宅(RC造)の建築費は2015年比で約35%上昇し、鉄筋やH形鋼の価格も2021年初頭と比べて3〜4割高い水準が続いている。

建築費が下がらない以上、新築価格は下がらない。

新築価格が下がらない以上、中古価格にも下方圧力がかからない。

これが現実だ。


政策金利1%時代の「本当の影響」を読み解く


日銀は、2026年6月15・16日の金融政策決定会合で政策金利水準を1.00%に引き上げた(利上げ幅+0.25%)。

約31年ぶりの高水準である。

野村総合研究所は、次回の利上げは2026年9月、さらに2027年6月に政策金利が1.25%まで引き上げられ、そこがターミナルレート(政策金利の到達点)になると予想する。

金利は確実に上がっている。

だが、価格暴落には至っていない。

なぜか。

2026年8月時点では、変動金利が年1.082%、固定金利(フラット35)が年3.290%となっている。

変動金利は上がったとはいえ、依然として歴史的には低水準だ。

主要なシンクタンクが発表している金利動向予測のレポートなどを見てみると、2026年中には政策金利が1.0%から1.5%に到達するとの見方もある。

問題は、この金利上昇が「買い手の購買力」にどう影響するかだ。


スーパーの特売セールで考える「価格調整のメカニズム」


マンション市場を、スーパーの生鮮食品売り場に置き換えて考えてみよう。

閉店間際の刺身売り場。

売れ残れば廃棄になる。

だから店員は、半額シールを貼る。

だが、今の新築マンション市場は違う。

2025年の新築マンション供給戸数は2万1,000戸台となり、1973年以降最少を記録した。1990年代後半から2000年代前半まで8万戸前後の大量供給が続いていた時代に比べると、今や1/4の水準まで落ち込んでいる。

売れ残りリスクがないから、値下げする必要がない。

売り場に商品が少なければ、売る側は強気でいられる。

新築住宅については、建築費が高いことから、急激な値下がりは起こりにくい、というよりもできないと考えられる。

購入者側の予算には限界があるため、価格をどんどん上げるのではなく、建物を小さくする、土地を小さくする、設備のグレードを下げるといった形で総額を抑える調整が増える可能性が高い。

これが「価格は下がらないが、モノは小さくなる」という現実だ。


図1|首都圏新築マンション供給戸数と平均価格の推移(不動産経済研究所データより編集部作成)

東京23区「横ばい〜微増」の内実


東日本不動産流通機構(レインズ)が2026年4月10日に公表した3月度の速報によると、首都圏の中古マンション成約㎡単価は86.34万円で、71か月連続の上昇だ。この水準は、1990年9月に記録したバブル期の最高値(85.50万円/㎡)を首都圏平均で上回った。

東京都区部(23区)はさらに高く、成約㎡単価は136.10万円/㎡に達している。

東京23区の中古マンションも2024年に5,000万円台を維持していたが、2025年になると少しずつ値上がりし、2025年11月には8,000万円に迫る水準となった。

ただし、変化の兆しは見え始めている。

2026年4月頃から東京都の成約坪単価は明確に下落へ転じており、その下落幅は神奈川県、埼玉県、千葉県と比較しても大きくなっている。

今回の首都圏中古マンション価格の下落は、首都圏全域で需要が急減し、市場全体が弱含んでいることを示すものではない。最も価格水準の高い東京都、特に都心5区で価格調整が進み、その影響で首都圏全体の平均成約単価が押し下げられているという構図が見えてくる。

つまり、「東京23区横ばい〜微増」の内実は、都心超高額物件の調整と、23区周辺部の底堅さの「平均値」なのだ。


郊外・地方は「選別の時代」に突入


日本全体の総人口は減少傾向にあるが、東京・大阪・名古屋などの大都市圏への人口集中は当面続くと見られており、都心の需要がすぐに崩れるとは考えにくい状況だ。

懸念されるのはむしろ郊外・地方都市だ。利便性の低いエリアでは空き家率の上昇とともに価格下落が先に現れやすく、立地による格差が鮮明になる。

千葉県の動きからは、郊外エリアでも「エリアごとの選別」が進み始めている様子がうかがえる。これまで広範囲に及んでいた価格上昇の波が、利便性の高い主要駅周辺と、それ以外のエリアとで差を生み始めている局面に入りつつある。

郊外部では土地の競合が少なく、比較的土地値は安定しており、マンション価格の押し上げ要因にはなりにくくなっている。その点も郊外部の新築マンション価格の安定、エリアによっては低下傾向につながる要因になりそうだ。

2027年に向けた基本シナリオは「都心は高止まり、郊外・地方は下落加速」という二極化である。


大阪万博後の「反動」は限定的


2025年10月に閉幕した大阪・関西万博。

「万博後に大阪の不動産価格は暴落する」という説が一時期流れた。

結論から申し上げると、万博閉幕直後の数か月は一部エリアで価格調整が見られたものの、2026年に入ってからは再び安定基調に戻っている。特に大阪市内の中心エリアでは、訪日外国人観光客の継続的な流入、関西圏全体への企業集積、そして大阪・関西への移住・転勤者の増加が複合的に作用し、賃貸需要・売買需要ともに底堅い動きを見せている。

大阪・関西万博の会場となった夢洲では、2030年秋にIR(統合型リゾート)の開業が予定されている。2028年に大阪メトロ「森之宮新駅」が開業を予定しており、2031年にはJR西日本・南海電鉄の「なにわ筋線」、そして2037年に京阪中之島線が大阪メトロ中央線「九条駅」への延伸を予定している。

万博は「終わり」ではなく「始まり」なのだ。


名古屋・福岡は「堅調継続」


愛知県の成約㎡単価は2026年4月に高値を更新し、5月も安定している。長期的には、日銀の金融緩和発表(2013年1月)から約13年で94%値上がりしている。

福岡市の3年比較では7区すべてで上昇しており、中央区は+52.6%、早良区は+33.8%、博多区は+21.4%と上昇幅が大きい。1年比較でも全区でプラスを維持しているが、早良区+22.6%、中央区+18.2%に対し、東区+0.5%、南区+2.0%と伸びは限定的だ。

2026年度における福岡市の不動産市場では、都市中心部の堅調な資産価値と郊外や一般層向け市場の調整局面という「二極化」がさらに鮮明になっている。

地方主要都市でも「全体上昇」から「エリア選別」へのフェーズ移行が起きている。


2027年に向けた「売却判断」5つの軸


では、売主は何を基準に判断すべきか。

現役営業マンの証言と市場データを総合し、5つの軸を提示する。

軸①:築年数10〜15年は「売り時」

築5年以内のマンションは資産価値が高く、購入希望者も多いため、売却価格が期待できる。一方、築10年を超えると修繕費や設備の老朽化が目立ち始め、価格が下がる傾向にある。

大規模修繕の前に売る。これが鉄則だ。

軸②:所有期間5年超で「税率半減」

所有期間が5年を超えたタイミングで売ることで税負担を軽減できる。

短期譲渡(5年以下)では譲渡所得に約39%、長期譲渡(5年超)では約20%の税率がかかる。

この差は大きい。

軸③:「駅徒歩7分以内」は底堅い

ある大手仲介会社のデータでは、駅徒歩7分を境に成約率と価格維持率が明確に分かれる。

駅徒歩10分超の物件は、2027年に向けて価格調整圧力が高まる可能性がある。

軸④:「在庫増加エリア」は早めの決断を

首都圏の平均価格下落は市場全体の下落ではなく、都心5区における価格調整が主な要因だ。値下げしても売れにくい都心5区と、実需により流動性が維持されている23区周辺部との明確な二極化が進んでいる。

自分のマンションがあるエリアの在庫推移を、レインズマーケットインフォメーションで確認すべきだ。

軸⑤:2027年税制改正の影響を見極める

2026年中と2027年以降で税負担が数千万円変わる可能性がある。資産の譲渡日は原則として引渡し日だが、契約効力発生日で申告できる場合もある。2026年と2027年をまたぐ取引では、契約前に税理士へ確認することが大切だ。

2027年1月1日施行の新制度により、相続不動産の売却戦略は大幅な見直しが必要だ。相続開始から5年以内に売却する賃貸用不動産は時価評価が適用され、従来より相続税負担が大幅に増加する。


「待つコスト」を計算しているか


「損失回避バイアス」という心理がある。

人は「得る喜び」より「失う痛み」を2倍強く感じる。

だから「今売って、もし来年上がったら損だ」と考えてしまう。

だが、待つことにもコストがかかる。

管理費・修繕積立金の支払い。

固定資産税の支払い。

築年数が進むことによる評価減。

大規模修繕一時金の負担リスク。

投資用マンションの売却タイミングとして有効なのが、不動産市場が活況で価格が上昇しているときだ。市況が好調なうちに含み益を確定し、トータルリターンを高める判断が重要といえる。

これは居住用マンションにも当てはまる。


仲介会社に聞くべき「3つの質問」


売却を検討するなら、仲介会社に以下を質問すべきだ。

質問①:「このマンションの過去6か月の成約事例は何件ですか」

同じマンション内の成約実績がなければ、価格査定の根拠は脆弱だ。

質問②:「現在の在庫件数と、3か月前・6か月前の比較を教えてください」

在庫が増えているエリアでは、価格調整が進む可能性が高い。

質問③:「このマンションで値下げせずに成約した直近の事例はいつですか」

値下げ率が高まっているエリアでは、強気の価格設定は危険だ。

この3つの質問に即答できない営業マンは、そのエリアを熟知していない。


2027年の「基本シナリオ」を整理する


最後に、2027年の価格見通しをエリア別に整理する。


【東京23区】横ばい〜微増

金利上昇の影響は出始めているものの、供給不足と投資需要が価格を下支えする。

ただし、都心5区の超高額物件は調整局面。


【首都圏郊外】価格調整の可能性

金利上昇によって住宅ローンの返済負担が増加すれば、購入可能価格帯は低下する。その結果、同じ予算でより広い住戸を取得できる周辺エリアへ需要が移ることは十分に考えられる。

「需要の再配置」が進む。


【大阪】高水準維持

大阪市内は2025年の大阪・関西万博効果の余波が残り、高水準が続く見通しだ。

IR開業(2030年)に向けた期待が下支え。


【名古屋】堅調継続

経済基盤の安定性と再開発により、価格は堅調に推移。


【福岡】二極化加速

中央区・博多区は高水準維持、郊外は調整局面。


【地方都市】選別強まる

地方都市では中心部と郊外の差が広がりやすい。中心駅周辺や商業施設が集まるエリアでは需要が維持されやすいのに対し、人口減少が進む地域や交通利便性が低いエリアでは、2028〜2030年にかけて価格が伸びにくくなる可能性がある。



編集部まとめ


2027年のマンション価格は「高止まり継続」が基本シナリオだ。

暴落を待つ戦略は、機会損失を生む可能性が高い。

2027年は、不動産価格が全国一律に大きく上がったり下がったりするよりも、物件による価格差が広がる可能性が高い。

つまり、「全体の相場」より「自分のマンションの立地・築年数・管理状態」が重要になる。

売却を検討するなら、まず複数社の査定を取り、自分のマンションの「市場での立ち位置」を把握すること。

これが2027年を見据えた、正しい第一歩だ。


執筆:マンション売却ジャーナル編集部


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