top of page

複数物件所有時の税金戦略

  • 2025年12月12日
  • 読了時間: 5分
複数物件所有時の税金戦略

マンションを複数所有している場合、売却時の税金は 1件だけ売る場合より“戦略性”が求められます。

なぜなら、所有数が増えるほど適用できる特例が変わり、組み合わせ次第で 手取り額が数百万円単位で変わることも珍しくない ためです。

この記事では、第三者視点で複数物件を所有する人が売却時に考えるべき税金戦略 をわかりやすく整理します。

マンションの価値を否定する表現は避け、売主が正しい判断をできるようにするための内容です。



複数物件所有時は「どの物件から売るか」で税額が変わる

物件が複数ある売主がまず理解すべきは、売却順序によって利用できる特例や税額が変わる という点です。

主な理由は以下の通りです。

  • 3,000万円特別控除は“居住用1物件のみ”

  • 所有期間(5年・10年超)による税率差

  • 相続物件は取得費加算特例の期限がある

  • 投資用は控除が使えないため優先度が変わる

つまり、複数物件を持つ場合、「どれを」「いつ」「どの順番で」売るかが戦略の中心になります。



複数物件所有時の基本的な税金戦略

戦略1:最も節税効果が大きい物件を“控除の対象”にする

居住用の売却に使える主な特例は次の2つです。

  • 3,000万円特別控除

  • 10年超軽減税率の特例

これらは 投資用には使えず、居住用に1回だけ使用可能 です。

複数の居住用履歴がある場合、より利益(譲渡所得)が大きい物件を控除対象にするのが一般的に有利です。


■ 例:AとBの2物件を所有しているケース

物件

利益

居住履歴

最適戦略

Aマンション

2,800万円

居住用

→ 3,000万円控除で利益ゼロ

Bマンション

800万円

投資用

→ 課税あり(特例不可)

この場合、控除をAに適用すれば税金ゼロになります。

同じ控除は2回使えません。適用物件の選び方が節税の根幹です。



戦略2:所有期間10年超の物件を後に売る(軽減税率)

10年超の物件に適用できる軽減税率は

  • 6,000万円以下の部分:14.21%

  • それ以外:20.315%

と、通常の長期税率(20.315%)より負担が小さくなります。

もし複数物件のうち1つだけ所有期間10年超であれば、その物件を後に売ることで軽減税率が最大限生きます。



戦略3:相続物件は「取得費加算特例」を期限内に使う

相続物件では、相続税の一部を取得費に加算できる制度があります。

ただし適用期限は 相続開始の翌日から3年10ヶ月以内。

複数物件を所有している場合、この特例が使える相続マンションは優先度が高くなります。


■ 戦略判断例

  • 相続物件 → 期限があるため先に売る

  • 自宅 → 3,000万円控除を使う

  • 投資用 → 後に売る(利益次第で売らない選択も可能)



戦略4:赤字(損失)が出る物件は“損益通算”を考える

居住用物件を売却して損失が出た場合、所得税の 損益通算・繰越控除 を使える場合があります。

これを利用すると:

  • 給与所得と相殺して税金が戻る

  • 翌年以降最大3年間にわたって繰り越せる

複数物件所有者の場合、どの物件で利益が出て、どの物件で損失が出るかを組み合わせて考えることが重要です。



戦略5:投資用物件の売却は“市況と繰り延べ”を意識する

投資用マンションには次の特徴があります。

  • 居住用控除が使えない

  • 税金は“利益が出た分だけ確実に課税される”

  • 減価償却により取得費が小さくなり利益が出やすい

複数所有している場合、市況(相場)の上昇局面で売却するのか、所有期間を伸ばして長期譲渡にするのかが重要です。

特に減価償却で取得費が小さくなっている物件は、売却益が大きくなりやすいため注意が必要です。



戦略6:住み替えを伴う場合は“買い替え特例”も候補にする

住み替え(買い替え)を予定しているなら、住み替え特例(買い替え特例) の活用が候補になります。

ただし、

  • 3,000万円控除とは併用不可

  • 1億円以下の売却に限る

  • 将来その新居を売るまで課税が繰り延べされる

など複数物件所有者ならではの複雑さが生じます。



複数物件所有ならではの“優先順位の考え方”

複数物件を持つ人が税金戦略を立てる際の基本的な優先順位は以下の通りです。


① 相続物件(取得費加算の期限がある)

→ 3年10ヶ月以内に売る必要があるため最優先。


② 居住用物件(3,000万円控除・軽減税率を最大化)

→ 利益が大きいものを控除対象にする。


③ 所有期間10年超の物件(軽減税率を活かす)


④ 投資用物件(利益の出方と市況に応じて売却可否を調整)



マンション売却窓口のスタンス(方針に沿った説明)

本記事では、不動産会社や制度を持ち上げすぎず、売主が安心して判断できるよう第三者視点で整理しています。

実際のサービス提供では各マンションに強い“スコアの高い仲介会社”を紹介する方式を採用していますが、記事内では中立的な表現にしています。



まとめ:複数物件所有者は“戦略の組み立て”が税金を左右する

複数物件所有者にとって、税金戦略は非常に重要です。

要点まとめ:

  • どの物件を控除対象にするかで税額が変わる

  • 10年超軽減税率の活用が大きな節税になる

  • 相続物件は「3年10ヶ月以内」が絶対条件

  • 損益通算で税金が戻るケースもある

  • 投資用は減価償却を踏まえた戦略が必要

制度を理解し戦略的に売却を進めることで、手取り額を最大化することができます。

bottom of page