両手取引のリスクとは
- 2025年12月12日
- 読了時間: 4分

マンション売却を調べていると必ず出てくる言葉が「両手取引」 です。
両手取引とは、売主と買主の双方を同じ不動産会社が担当し、両方から仲介手数料を受け取る取引 のこと。仕組み自体は違法ではなく、法律で認められています。
しかし、売主が知らないうちに 利益相反が起こりやすい構造 でもあり、売主にとって注意すべきポイントが存在します。
この記事では、第三者視点で両手取引の仕組み・メリット・リスク・対策方法 をわかりやすく整理します。
マンション自体の価値を否定するものではなく、売主が安心して正しい判断をするための知識です。
両手取引とは?基本の仕組み
不動産仲介は本来、
売主側の仲介会社
買主側の仲介会社
の2社が間に入る「片手取引」が一般的です。
一方で両手取引は、1社が売主・買主の両方を担当する状態 のこと。
その結果、仲介会社は、
売主から片手(仲介手数料)
買主から片手(仲介手数料)を受け取ります。
両手取引のメリット(売主側視点)
両手取引が必ずしも悪いわけではありません。
メリット1:交渉がスムーズになる
1社が間に入るため、情報共有が早く、内覧調整・交渉・契約進行がスピーディーになります。
メリット2:買主が早く見つかるケースもある
自社の顧客データを活用できるため、物件に合った買主候補をすぐ紹介できる場合があります。
ただし、ここからが重要です。
両手取引に潜むリスク
両手取引の最大の問題は、利益相反が起きやすい構造 にあることです。
仲介会社は両手取引になると報酬が倍になるため、売主にとって不利な行動が取られるケースがあります。
リスク1:囲い込みが発生しやすくなる
両手取引の典型的な問題が 囲い込み です。
囲い込みとは:
他社からの案内依頼を断る
情報流通を制限する
内覧機会を減らす
これにより、一部の買主しか見られない状態が起き、売主の売却機会が失われる可能性があります。
リスク2:売却価格が下がりやすくなる
仲介会社は、「売主が高値を希望していて、買主が安く買いたい」という状況で両方を担当することになります。
ここで利益相反が起きやすく、
両手で早く成約させたい
多少安くても早期成約を優先したい
といった状態になり、売主の希望価格が十分に反映されない場合があります。
リスク3:売主にとって情報の透明性が低くなりがち
両手取引のとき、不動産会社は次のような説明をすることがあります。
他社からの問い合わせが少ない
自社の買主の方が確実
他社の顧客は冷やかしが多い
しかし、売主が事実を確認しづらく、判断材料が仲介会社側に偏りやすいという問題があります。
リスク4:価格交渉で売主が不利になりやすい
仲介会社が買主も担当している場合、買主の希望も優先したくなる ため、
値引き交渉を強く勧められる
売主側の利益最大化が弱くなる
といった状況が起きる場合があります。
リスク5:売却期間が長引くことがある
囲い込みが起きると、内覧数が減り、結果として売却期間が延びるケースもあります。
長期化すると、
「売れ残り物件」という印象がつく
価格を下げざるを得なくなる
といった悪循環に陥りやすくなります。
両手取引のリスクを避ける方法
両手そのものが悪ではありません。重要なのは、透明性の高い環境で売却活動をすること です。
方法1:レインズの登録状況を確認する
媒介契約後のレインズ登録は必須。売主は「登録証明」を確認できます。
方法2:他社からの案内依頼数を毎週報告してもらう
囲い込み防止に効果的です。
方法3:反響数・広告掲載状況を共有してもらう
どこに掲載されているか透明化されていれば、不必要な囲い込みを防げます。
方法4:囲い込みをしない方針の会社を選ぶ
担当者が透明性を徹底するかどうかが最重要ポイントです。
※ 過度に特定の仲介会社を持ち上げる表現は避けつつ、「スコアが高い会社を選ぶ」という方針に沿っています。
方法5:売主自身が“情報を見える化”しておく
内覧数
問い合わせ数
他社の動きを把握するだけでも、不利益を回避しやすくなります。
まとめ:両手取引は“仕組み”ではなく“透明性”が重要
両手取引は法律上問題のない取引であり、うまく機能すればスムーズに売却できるケースもあります。
しかし、リスクを避けるためには次の点が重要です。
囲い込みを防ぐ
情報を透明化する
誠実に説明する担当者を選ぶ
適切な戦略を共有する
こうしたポイントを押さえれば、マンション本来の魅力をしっかり伝え、納得のいく売却につながります。
